パナマ運河の詰まりはエルニーニョ現象と水管理の問題が原因

ジェイク・スプリング1 5月 2024
© セリブ / Adobe Stock
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水曜日に発表された研究によると、昨年の降雨量減少は気候変動ではなくエルニーニョ現象によるもので、パナマ運河の水位低下と世界貿易を混乱させる船舶輸送制限の一因となったことがわかった。

研究コンソーシアム「ワールド・ウェザー・アトリビューション」の調査によると、運河用水よりも人間の消費用水を優先したことも船舶輸送制限に影響したという。

パナマは2023年に記録上3番目に乾燥した年となり、運河当局は大西洋と太平洋を結び海上貿易の重要なルートとなっているこの水路を通過する船舶のサイズと数を制限した。世界の海上輸送の約5%を占めるこの運河を利用するために、一度に100隻以上の船舶が列を作り、最長21日間も待つこともあった。

パナマは、世界で最も交通量の多い水路であるスエズ運河に向かって紅海を通過する船舶に対するフーシ派の攻撃により、荷主が代替ルートを探し始めてから、ここ数カ月、運河の需要のピークに直面している。

降水量が少ない原因を分析したワールド・ウェザー・アトリビューションの科学者らは、エルニーニョ現象が終わり例年通り雨季が到来するため、今年は運河の運河運用が通常通りに戻るはずだと述べた。

「運河システムは年末までに完全に回復し、その数か月前には船舶の航行も通常に戻ると予想している」と、研究の共著者でパナマのスミソニアン熱帯研究所の研究員であるスティーブン・パトン氏は述べた。

研究は、昨年パナマで降雨量が例年より26%減少した主な原因は気候変動ではなくエルニーニョ現象であると結論付けた。

エルニーニョ現象は、東太平洋で自然に発生する温暖化現象で、平均して2年から7年ごとに世界の気象パターンを乱す。最新のエルニーニョ現象は2023年半ばに始まった。

パトン氏はエルニーニョ現象は終息したと述べ、オーストラリア気象局も先月同様の発表をしている。米国海洋大気庁はまだエルニーニョ現象の終息を発表していない。

ワールド・ウェザー・アトリビューションによると、水管理も水位に影響した要因の一つだった。

運河の閘門はガトゥン湖と呼ばれる貯水池の水を利用しており、この湖はパナマの人口の半分に飲料水も供給している。当局は、別の干ばつが発生した2016年のように飲料水を配給するのではなく、2023年に船舶の航行を制限することを決定したと研究は述べている。


(ロイター通信 - ジェイク・スプリング記者、ウィル・ダナム記者による編集)